2012年05月31日

SMA

「人間はひとりひとり、他と違って作られてゐる。顏も違ふし、體つきも違ふ。むろん性格や物の捉へ方、感じ方、考へ方もすべて違ふ。一卵性の双子さへ、似てはゐるが別の心を持つ。

 何か一つの物が正しいとするなら、自然は隨分と無駄なものを造ったことになる。

 しかしそんな馬鹿なことはあるまい。と我々の常識は考へる。ひとりひとりみんな違ふのは、何か神妙な理由があるに違ひない。ブスに生まれた女は神樣は不公平だと怒る。アホに生まれた男は神も佛もないと泣くだらう。しかし泣いても喚いても、我々は自分以外の物にはけして成れないのだ。

 この覺悟が定まったときから、人の眞ともな人生は始まる。しかし定まらないまま一生を終へる者も多い。その差は“やはらか”かどうかにかかってゐる。

 堅い者は直ぐに折れ、もう立ち直ることが出來ない。しかし柔らかい者は百八十度に折られても、元に戻る亊が出來るのだ」

「まるで形状記憶物質みたいだね」




posted by ゆふづつ at 00:00| ノンカテゴリー | 更新情報をチェックする