2012年05月29日

心うつくし

「すべて女は やはらかに 心うつくしきなむ よきことと薫は言ふけど、“心うつくしき”とは?」

 俗に言ふ“目に入れても痛くない”ことで、心を許し、自分の無償の愛情を注ぎ込みたくなることだ。

 すべて女といふものは、柳の木のやうにしなやかで、硬からず、折れず、しかも男がこの女の爲なら命さへ捧げたくなるやうなのが好い。と言ふのだ」

「確かに。さういふ女がゐたら、少なくとも男にはベストだらうね。さうさうゐるとは思へないけれど」

「だから男はすべてマザコンになるのだ。“やはらかに、心うつくしく”母は育ててくれるからだ。母は子の爲にその人生の全てを捧げ盡くす。

 實際、大昔は出産と同時に亡くなる母親も珍しくなく、女の平均壽命は卅にも届かなかった。母親は文字通り、子の爲に命を捧げ盡くす存在なのであるから、これを理想としない子はあるまい」

「今は自分の人生の片手間に生む母親も多いし、それさへ厭ふ女も多いのぢゃないか」

「それも一時的な話だ。結局は女が命がけで育てた子、さういふ國が榮えて行くのだから」



posted by ゆふづつ at 00:00| ノンカテゴリー | 更新情報をチェックする