2012年03月29日

崩れ

「つまり、俺の中に埋め込まれてゐるバウムクーヘンみたいなものの一層が、時に日常感覺であり、時に特攻精神みたいに躍り出て來ると言ふのか」

「さうだらう。人間の心も一枚岩ぢゃない。特にバウムクーヘンも外側の層ほど簡單に剥がれる。逆に核になるほど強固で、老いてもなかなか壞れないという譯だ。

 人間も、普段は生意氣に、色々考へて行動してゐるやうに見えるけど、氣がついたら、その古い地層の云ふなりになってゐるって、氣づいたことがないか?例へば、あなたのセッキスは男?女?」

「むろん女とだ。週3回」

「部屋は汚れてる?」

「部屋は森だし」

「最近、凝ってるものは?」

「お腹をくすぐること」

「誰の?」

「狸の縫ぐるみの」

「氣持ちよがりますか?」

「無視される」

「寂しい人生ですか?」

「放っとけ」

「死にたいと思ふことは?」

「ない」

「樂に死にたいとは?」

「思はん」

「自然死なんだ」

「知るか」

「怒った?」

「いや別に」

「ほんと。外側がないね」



posted by ゆふづつ at 00:00| 日記 | 更新情報をチェックする