2011年07月29日

ことのは 一

 昔、人はみな同じ言葉を話してゐた。彼らは、よい地を求め、西に移った。やがて平地を見つけ、そこに住み着いた。

 彼らは煉瓦をアスハルトで固める技術を身につけた。さうして言ふ。
「町を造り、天に届く塔を建てよう。偉大な文明を築き上げるのだ。人々がただの野蛮人で終はることのないやうに」

「人類が同じ言葉を話してゐたって?本當かな」

「同じ言葉を話すってことは、同じ文化、思考樣式を持つってことだろ。人類アフリカ起源説を採れば、考へられる説だ。しかし、本當のことは分からない」

「西に移動したってのも、よく分からないな。我々倭人はオイロシアの東の果てにゐるのだし、インデオもシベリアから陸續きだったアメリカに渡ったと考へられてゐる。西に移動したってのは、全人類の話ではなささうだ」

「しかし、町を造り、天に届く塔を建てようといふのは、すべての文明が行って來たことではないか」

「さうだな。山から平地へ下り、肥沃な川の近くで文明を築いた」

「 しかし、ピラミッドはまだ切り石や一本石によって造られてゐた。砂利やセメントを大量に利用し、巨大建築物を造り出したのは羅馬人だ」

「しかし巨大都市でただの砂利を利用してゐるのは、もうほとんど日本だけではあるまいか。日本の神社、寺院、傳統的な庭園には、よく磨かれた砂利が敷かれてゐる。玉砂利だ。砂利をベトンで固めず、そのまま敷くのは、いかにも日本人好みだ。といふことは、日本人は半文明人といふことか?」



posted by ゆふづつ at 00:00| 日記 | 更新情報をチェックする