2011年03月31日

あをくも 八

 鳥飼が飯を喰ふ間に館内の巡囘を濟ませ、戻って來た。

「何か罐詰を喰ったネ。鮭罐か」

「濟まねぇ。ひょっとしたらと思ったんだけんど。つひ手が出ちまった」

「おいおい、自分のを喰ったんぢゃねぇのか」

「いやいや、ロッカの上の棚に在ったから、自分が持って來たのかなと思って」

「ん?ロッカって、一番右のか。鮭罐は俺のぢゃねぇぞ」

「あ?ぢゃ、やっぱ、俺のか」

「憶えてねぇのか。仕方ねぇなぁ。まぁいいや。誰かが入れたまま忘れてんだらう」



posted by ゆふづつ at 09:00| 日記 | 更新情報をチェックする