2011年03月30日

あをくも 七

「ある時、男と女がよぉ、線路を枕にして寢てたんだとさぁ」

「線路を枕とは、風流も首が冷た過ぎべぇ」

「なに、直きさ、あの世に行かれるべぇ」

「いつの話だ」

「だからさぁ、おいらが子供の頃の話だってさ」

「そんでどうした」

「向うからトロがゴロゴロ走って來てなぁ」

「そんでどうした」

「ぶつっとやな音がしてなぁ」

「心中かい」

「十八九の若いもんぢゃったさうぢゃが」

「死ぬこたねぇのになぁ」

「わけは判らねぇ。他所から來たもんぢゃったからなぁ」

「それがその邊りか」

「B門の」

「詳しく言はなくてえぇぞ」

posted by ゆふづつ at 00:00| 日記 | 更新情報をチェックする