2012年02月23日

ヘブン

「そもそも物質なんぞなければ、魂は自由だよね。どこへでも飛んで行けるし、過去にも遡ることが出來る。

 しかし、この肉體といふ御荷物を背負ってゐる間は、この重みに堪へて生きていかなくちゃならない。私は、なぜ、生まれちゃったんだらう?」

「鳥が翼を持つのは空を飛ぶ爲だね。その鳥から翼を奪ったら、彼は地に落ちるだらう。コケコッコさんのやうに、地面を跳ね飛んで生きて行かなくちゃならない。

 この應用で考へたら、なぜ我々の魂が地上に落っこち、奴隷のやうになったか、分かるのではないか?」

「なんぢゃ、そりゃ。クイズか。ははぁ、魂が翼を失ったのは、神樣の罰だとでも言ひたいのか」

「天は、すべて良きものの住處であり、そこでは全ての物が輝き、滿ち足り、正しく、そして美しい。ここで、なぜ天の上はさうなのか、といふ點について、シルレルの歌と古事記から引用してみよう」



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2012年02月22日

ナイスバディ

「ぢゃあ、まぁ、その。魂には始まりもなければ終はりもないといふのは、認めることにしようか。しかし、人間の體は生まれる前はただの二酸化炭素や水、鐵、カルシウムなどの塊だっただらう。死んだあともさうなる筈だ。

 その物質が人體といふ高度な機關になった場合に、そこへ魂が降りて來る。いや、降りて來るんだか、昇って來るんだかは知らないけど。さういふ理解でいいのかな?」

「さうだよ。我々人間には、殘念ながら素の魂が見えない。しかし、人の體に降りて來る前はきっと見えてゐただらうと思ふけれども、確かなことは分からない。この世では、あんたの姿が今見えてゐるやうに、見えるときは、何かの形になってゐるのかも知れない。たぶんさうだらう。

 しかし、肉體を持たない魂そのものは、その姿を自由に變へることが出來、どこにでも即座に移動が出來、この世の果てまでも行くことが出來る。

 ところが、魂と云ふものは、ときどき、この自由な性質を捨て去り、わざわざ肉体の中に閉じ籠ることがある。魂の宿った肉體は、いはゆる生き物であり、はっきりとその存在を認めることが出來る。

 ただ、その肉體は物質であるから、當然、毀れることがあり、動くことが出來なくなることもある。その場合は魂も肉體に留まることをしないだらう。もっと他の動ける肉體へと移って行くことになる」

「しかし、わざわざ自由な魂といふ立場を棄て、なぜ乞食の引越しのやうにして、わざわざ不自由な肉體なんぞに宿るのかね?」




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2012年02月21日

イモタル

「それで結局お前さんの言ひたい亊は、物質はけして自ら見る亊も動くこともなく、互ひに因果の法則により、作用反作用の法則で動くに過ぎないと。

 しかし魂は、自ら見、動き、寢てゐる間さへ、けして止まることもない、といふ譯だね」

「さうだ。自ら見るといふことは、物によって見させられてゐるのではないといふことだから、宇宙の始めからあるといふことだ」

「つまり、もし魂に始まりがあるとすれば、その魂は何ものかにかによって始められたことになるので、魂ではないといふ背理に陥ってしまふのか」

「さうだ。そして、もし魂が見たり、動くのを止め、滅びてしまふとすれば、魂に始まりはないのであるから、それはこの世の終りといふことになり、もはや如何なるものも生まれ、動き出すことがなくなる。この世は永遠の終りを始めなければならない」




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