2011年12月31日

ゴルフ

 何だか少し醉ひが囘ったか、氣分がよくなって來た。男の、いや女の辯舌は續く。

「今度はまた、男の立場に戻ってみようよ」
「ああ」
「あんたも、もういい加減、變な女に入れ込むのは懲りただらう。今度は、どうするね?」

「さぁねぇ。今度は健康も考へてゴルフでもするか」
「おや。女はもう要らないのかい」
「さうあっさりと諦める年でもないから問題なんだが、ともかくも女は金がかかる。仕方ない諦めるかな」

「かうしたらどうだらう。今度は手を變へて、全然好みぢゃない女に手を出すんだよ」
「どうして。意味ねぇだらうが」
「女なんか、どうせ一囘やったらみんな同じだ。どうせセッキスやりながら他のこと考へてゐるんだらう?あんたも」

「薄っ氣味の惡い笑ひ方するなよ。まさか、あんたを口説けって言ってるんぢゃないだらうな」
「當りだ」
 ドキッ。



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2011年12月30日

ヰンク

「この、ドリンク、いくらだ?」
「ただよ」
「ほんとか」
「えぇ」
 と首をに振った。大丈夫か?

「落ち着いて考へてみようよ」
「何を」
「あなたが使った無駄な費用。後悔はしてないと言ふけど、戀の冷めた後には、もう二度と使はないでしょ?」
「そら、さうだ。俺ぁストーカぢゃない。さっさと別の女を探すさ」

「だらう。ぢゃ、今度は立場を變へて考へて見ようか」
「俺が女の立場か」
「さう。もし、あんたに惚れた男が言い寄って來たとする。あんたは精一杯、男から財物を引き出さうとするぢゃない。どのくらゐ、男を引っ張れると思ふ?」
「俺の器量ぢゃ一晩ぐらゐかな」

「たった一晩ぢゃ、ご飯を奢って貰ふぐらゐが關の山だね?」
「そんなことはないだろ。その一晩の爲に、どのくらゐ投資して來たと思ふ?」
「さうか。もう大金を叩いちゃってる譯だ。しかし、もうその後は叩かせることも出來ないね」
 女はヰンクして見せ、手で丸を作った。



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2011年12月29日

人生

「あなた、戀をしたことがある?」
「あるよ。俺だって」
「そして、その戀は。いつまで續いた?」
「一晩で覺めた。朝、起きて。そいつの寢顏を見た瞬間、醉ひと一緒に」

「分かる。その時のあなたの喪失感。俺は何といふものに興奮しちまったのか、って、思ったのね」

「あぁ思ったよ。しかし一度ぢゃ凝りない。そのあと、何遍も、同じ事を繰り返した。お蔭で収入は減り、貯金はなくなり、家のローンが組めなくなった」

「非道い人生。さう、そんなもんよ。人生って。でも、その時になって、今まで注ぎ込んだものを返せって言っても、戻っては來ないでしょ」

「來るわけねぇだろが。しかし、俺ぁ別に後悔はしない。その時はその時で樂しかったこともあるし、だからこそ凝りもせず、今まで來たんだ。だいち、人を恨んでも何が起こる譯でもないしな」 
 と、ここでドリンクが出て來た。




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